こんにちは。デラ・マタドーラです。
以前の記事「
株価データダウンロードサイト一覧
」で、過去の株価情報をダウンロードできるサイトを紹介しました。
しかし、これらのサイトからダウンロードできるデータは、株式分割・株式併合による株価調整がされてないものもあります。 株価調整を考慮しないと、株式分割が行われた日を境に株価が大きく変動(分割比率によっては2倍以上)したように見え、株価の過去データ分析がうまくできません。
そこで今回は、株式分割や株式併合の情報が掲載されているサイトの紹介と、過去データ分析する際の活用方法について記載します。
◆目次
株価調整とは
まずは株価調整について簡単に説明します。
◆株価調整とは
株式分割・株式併合が行われた際にその分割比率・併合比率に応じて過去の株価を再計算すること
例えば、A社の株価が1株500円、発行済株式数が1,000株とします。 この場合、時価総額は500,000円ですね。
ここで、A社が1株→2株の株式分割を行ったとします。 すると、発行済株式数は2倍の2,000株となります。 しかし、単に株式を分割しただけのため時価総額は変わらず500,000円のままです。 そのため、1株あたりの価値は
500,000円 ÷ 2,000株 = 250円
となり、株価が500円→250円と1/2となります。
株式分割された後はこの250円を基準に売買されていきますが、株価の過去データは500円のままですね。 そのため、データ上は株式分割したとたんに株価が1/2に急落したように見えてしまいます。
これを防ぐために、株式分割した時点から過去に遡って、株価を1/2して再計算していくことを「株価調整」といいます。
パターン別の株価調整の計算方法
前項では株式分割・株式併合した際に株価調整をすると書きましたが、厳密にはもう少しパターンがあるようです。
そのため、ここではパターン別の計算方法を記載しておきます。
※知識不足のため説明に誤りがあるかもしれません
株式分割の場合
これは前項で示した通りです。
株式分割により株式数が増えるため、その分だけ株価が減少します。
<1株→2株の株式分割の場合の計算例>
分割時点より過去の株価を1/2する。これだけ。
株式併合の場合
これは株式分割の逆ですね。併合することで株数は減少、1株あたりの株価が上昇します。
<2株→1株の株式併合の場合>
併合時点より過去の株価を2倍する。簡単ですね。
有償増資の場合
これは少し複雑になります。有償増資とは「株式会社側が指定した金額で、既存株主に対して新株を発行」するものです。
この場合、新株の金額、割当比率をもとに株価調整する必要があります。
<有償増資する場合の計算例>
発行済み株式数1,000株、株価500円の時に、1株あたり0.5株、200円で有償増資した場合を例にします。
有償増資する前は、
・株価 500円
・発行済株式数 1,000株
・時価総額 500,000円
ですね。
ここで、1株あたり0.5株、200円で有償増資すると、株式数と時価総額は以下のように変化します。
・新株の株数 1,000株×0.5=500株
・発行済株式数 1,000株+500株=1,500株
・時価総額 500,000円+(500株×200円)=600,000円
すると、1株あたりの価格は、
600,000円÷1,500株=400円
となり、株価が500円→400円と減少したことになります。
元の株価に対する有償増資後の株価の比率を求めると、
400円÷500円=0.8
となります。 つまり、有償増資後に株価が0.8倍となったので、過去の株価についても0.8倍することになります。
有償増資の株価調整比率の計算式
上記の計算方法を1つの式で表すと、以下のようになります。
※「株価調整比率」という名前は勝手につけたので一般的な名前が他にあるかもです
株価調整する際は、この計算式で求めた「株価調整比率」を過去の株価に対して掛け算していくことになります。
新株予約権無償割当の場合
新株予約権無償割当とは「既存株主に対して、市場価格より低い価格で株式を購入できる権利を無償で付与する」ものです。
有償増資と似てますが、異なるのは「購入する権利を付与する」という点と、「権利を市場で売買でき、期限内であればいつでも権利行使可能」という点です。
ここからの僕の理解はちょっと怪しいのですが、新株予約権無償割当の場合は株価調整しないようです。(Yahoo!ファイナンスを見た感じ)
権利行使する日(新株が市場に流通する日)が一定期間内で分散するため、ある時点より過去の株価を一律調整することができず、株価調整はしていないのかなと思います。 また、新株が一気に流通しだすわけではないため、株価への影響も有償増資ほど大きくないとも思われます。
(2018/2/10訂正)
上記の記述を訂正します。Yahoo!ファイナンスにも銘柄によっては記載がありました。
マネックス証券
をみたところ、2006年~2017年の新株予約権無償割当は以下の2つのみ。
・あかつき本社(8737)・・・権利落ち日:2017/5/18
・ADワークス(3250)・・・権利落ち日:2017/7/10
このうち、Yahoo!ファイナンスにはあかつき本社のほうは記載なし、ADワークスのほうは記載ありでした。
2つの違いは分かってませんが、ひとまず訂正をします。
少し理解が怪しい箇所はありましたが、以上で株価調整についての説明は終了です。
株式分割・株式併合情報の掲載サイト
それでは、株式分割・株式併合の情報が掲載されているサイトを紹介します。 サイトごとに掲載期間やページ構成が異なるので、その辺も記載します。
サイト | 説明 | |
---|---|---|
カブドットコム証券 | 株式分割 | 2002年8月~の株式分割情報が掲載されています。
1ページに全て掲載されているので便利。 但し、2006年~2009年あたりの情報が欠落しているようです。 |
株式併合 | こっちは株式併合情報です。 こちらも2006年~2009年あたりの情報欠落あり。 |
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有償増資 | こっちは有償増資情報です。 こちらも2006年~2009年あたりの情報欠落あり。 |
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マネックス証券 | 株式分割・有償増資 | 2006年11月~の株式分割・有償増資が掲載されています。 年ごとにページが分かれているので、取得は少し面倒です。 |
株式併合 | こっちは株式併合です。
ただし、合併など株価調整には不要な情報もあるため、「併合」のみを抜き出す必要あり。 また、権利落ち日が掲載されてなく、実施日のみ掲載されている。 実施日→権利落ち日の変換は「 過去の株式併合の実施日・権利落ち日の対応表 」を参照下さい。 |
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Yahoo!ファイナンス | 株価データと同様、1983年以降のデータが載っていると思われます。
銘柄ごとの「チャート」ページにある「分割情報」欄に、分割・併合・有償増資の全ての情報が載ってます。 有償増資の場合の株価調整比率は、計算済みのものが掲載されているようです。 |
これらは全部無料で情報を見れるサイトですが、どのサイトも少しずつイマイチな点がありますね・・・。
特定の銘柄のみの分析をするなら、「Yahoo!ファイナンス」がよさそうですが、色々な銘柄を分析したいなら「マネックス証券」ですかね。10年分くらいの情報は掲載されてますし。
最後に
今回は株価の過去データ分析に必要な株価調整について紹介しました。 今後、僕も過去データの分析をしようと思い調べてみたことなのですが、記事の内容に誤りがあった場合はごめんなさい。
今後は、この記事で紹介した株式分割・併合の情報と、以前の記事「 株価データダウンロードサイト一覧 」で紹介した過去の株価データをPC上のデータベースに取り込んで、分析の準備を進めていく予定です。
進展あったらまた記事にします。